勉強のさせ方で学習効果が変わってくる
なにかを子どもにやらせたいときってどうしてますか?例えば、ドリル学習とか学校の宿題とか、ドッツカードやフラッシュカードなどを子どもにやらせる場合です。やらせようとしても、子どもが嫌がって、やらないときってありますよね。ある時期までやってくれていたことでも、途中からやらなくなることだってあります。それでも怒って泣き喚いてでも無理矢理やらせるのは良いことなのでしょうか?そういう親もいるでしょうけど、おそらくその子は勉強嫌いになります。でも、程度にもよりますが、全くやらせないよりは、怒ってでもやらせたほうが、多少能力は上がるような気がします。現に、そういうふうに厳しい親に育てられた人物は、多少能力は高めです。しかし、能力の多様性は少なく、得意な能力も平均よりも少し上の「中の上」といたところでしょうか。どの能力も最低限、「上の下」くらいには長けていて、それが得意な能力であれば全国レベルになるほどの人物に育てるには、怒ってばかりの無理矢理やらせる「北風政策」ではダメなようです。それはなぜかというと、無理矢理やらせるような学習方法は非常に効率が悪く、努力に対して成果が少ししか得られないからです(全く得られないわけではない)。ここでいう努力対効果、すなわち、親の働きかける努力や子どもの学習努力に対する学習効果を意識することは非常に大切です。
スペシャリストよりゼネラリストにしたい
早期教育は時間が限られています。学習効率の悪い教育方法をしていては、いろいろな能力の芽を子どもに授けることができなくなってしまいます。私は我が子に、「一つのことに特化した」スペシャリストではなく、「なんでもできる」ゼネラリストになって欲しいと考えています。世の中はスペシャリストがもてはやされがちですが、一つのことだけに特化するというのは「偏り」であり「ギャンブル」であり危険です。その状況や社会に上手くマッチングしてハマれば最強ですが、社会でも進化論でも能力の偏った生物は多様な環境の変化に適応できず淘汰される可能性が高いです。なので、どんなことでも人並み以上にできるゼネラリストになるためには、努力対効果の高い早期教育をおこなう必要があります。子どもには是非とも複数の才能の芽の種を植えてあげたいものです。もし努力対効果の悪い教育方法をしていたなら、たとえばですが、以下のようないろいろな能力があったとして「読解力、文章力、論理的思考、推理力、計算、音感、色彩感覚、芸術性、器用さ、忍耐力、コミュニケーション能力、空間認知、外国語力、運動能力」のうち、3~4個程度の能力しか身につかないでしょう。しかし、努力対効果の良い教育方法をすることができれば、上記に挙げた全ての能力を手中に修めることができます。
フロー状態と内発的動機づけ
それでは、どのような教育方法が努力対効果の良い方法なのでしょうか?それは、学習の動機が「報酬」や「罰」に由来しない内発的動機づけからくるものであることです。楽しいから自ら進んでやるという状態は、もっとも学習効果が高い「フロー状態」を作り上げます。いわゆる夢中になっている状態です。しかし、親が意図的に子どもを「フロー状態」に持っていくのはかなり難しく至難の業です。どうしても「報酬」や「罰」に由来した外発的動機づけの教育法に頼らざるを得ません。よって、まず親ができることとしては、子どもが夢中になるものと教育的に良いもののすり合わせをします。子どもは「ゲーム」や「戦隊ものテレビ」に親和性が強いので、まずそこから遠ざけます。うちの場合は、お絵描きや粘土、折り紙、図画工作、ホワイトボード、運動遊びなどに夢中になる傾向にあるのでそれらを促通促進します。「ゲーム」と「テレビ」を遠ざけるのは、善きにしろ悪しきにしろ親和性が強すぎるからです。いちど「ゲーム」や「テレビ」の楽しさ知ってしまうと、それらは中毒性が強いので、「お絵描き」や「折り紙」などの優良なものへ、目が向かわなくなります。それが「ゲーム」や「テレビ」を遠ざける理由です。なかには教育的に優良な「ゲーム」や「テレビ」もありますが、その教育的な長所に比べて副作用が強すぎるのでその長所には目をつむったほうが良さそうです。
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外発的動機づけのご褒美の選び方
次にフラッシュカードや算盤、ドリル学習系ですが、これらは内発的動機が働きづらいため、ある程度の報酬や罰が必要です。その際、外発的動機づけとなる報酬も、教育的に一石二鳥が狙えるものが効率的です。例えば、うちでは以下のような使い方をしています。
「このドリルをしたら、川に連れて行ってあげるよ」
「このドリルをしたら、絵本買ってあげるよ」
「このドリルをしたら、公園へ連れて行ってあげるよ」
「このドリルをしたら、絵本読んであげるよ」
「このドリルをしたら、ヘリコプターしてあげるよ」
「このドリルをしたら、お馬さんしちゃー」
「このドリルをしたら、サッカーしてあげるよ」
「このドリルをしたら、粘土だしてあげるよ」
「このドリルしたら、一緒に料理つくろー」
「このドリルしたら、「となりのととろ」みていいよー」
など、ご褒美自体が、教育的効果のあるものにすると良いです。反対に罰としての言い方は
「~せんと、川に連れて行ってあげんよー」
「~せんと、絵本読んであげんよー」
「~せんと、今度行くキャンプに連れて行ってあげんよーー」
「~せんと、海に連れて行ってあげんよー」
「~せんと、ばあちゃんちにつれていかんよー」
「~せんと、○○ちゃんちにお泊りさせてやらんよー」
また、このようなご褒美と罰の使い方をすることで、「○○は皆が喜ぶ楽しいことなんだ」と深層心理に植え付けることができます。だって、絵本やサッカーが好きじゃない子で、それが報酬にならない子だっていますからね。でも、他の報酬と同列にして同じ使い方をすることで、「私はこれを与えられて喜んでいるんだ」と誘導します。ちょっとした催眠や洗脳の手法になりますが。
小1の長女の場合の学習のさせ方
最近、うちで効果のあったやり方は、「タイマーを使う」です。そろばんやピアノ教室の宿題をさせるとき、渋ったはな(長女)に対して、キッチンタイマーをセットすることにしました。「10分間で終わらせてね」と言うと、「ダメぇ、15分にして~」と時間の延長を要求してきましたが、その後は嫌がることなく集中していつもより半分くらいの時間でやり遂げました。なので、それ以来、タイマーを使って時間制限を設けてドリル系の学習をさせています。他には、子どもにとってなかなか重い腰の上がらない、そろばんや計算系のドリルをするまえに、簡単なパズルや迷路系のドリルを先にやらせてみたところ、その後の計算系ドリルにスムーズに移行できることを発見しました。その方法が上手くいった理由としては、内容がどうであれ、とにかく机やテーブルに向かわせて鉛筆をもたせてしまうことが功を奏したのだと思います。大人が勉強する場合だって同じですよね。とにかく3分でもいいので机に座ってしまえば、それ以降はさほど努力せずに座っていられます。家庭学習の習慣がないお子さんの場合は、勉強じゃなくてもいいので、まず机に座らせることからはじめるのもいいかもしれません。
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2歳次女の場合のフラッシュカードのさせ方
最近は、遥(次女2歳)もドッツカードや文字のフラッシュカードをしてくれないことが多くなりました。「カードしよっか?」って訊ねても、「せん!」と言って拒否されます。無理矢理やらせてもカードに注意が向かないので意味ないし、フラッシュ自体が嫌いになることだけは避けたいので断られたら深追いはしません。1週間ほど間をあけたり、「パパと遥が、お風呂でうんこのシャワーを浴びた」など面白い文章のフラッシュを考えて興味を惹く方法が一時的に有効だったこともありました。ここ数か月は、フラッシュカードをやったあとに、お気に入りの動画をみせることで続けてくれています。「ももたろう」や「となりのトトロ」が最近のお気に入りでご褒美の動画自体も優良なものを選んでいます。特に「となりのトトロ」は86分もあるのでストーリーを追う訓練にもなります。
誰かいい方法があったら教えて頂戴
6歳の長女にしろ2歳の次女にしろ、どちらにしても、早期教育や学習習慣を継続することはあれこれと工夫が必要です。どうやったら楽しく嫌がらずにやってくれるかを日夜試行錯誤している状況が続きます。うまくいった工夫も効果が持続すること少なく、新たな工夫や対応に迫られます。我が家の大きな方針としては、夢中(フロー状態)になれることをみつけて、それを「お絵描き」や「工作」など机に座ってやれる方向に誘導し刷り合わせる。そして、机に向かう習慣がついたら、外発的動機づけを利用してドリル学習をすすめる。ドリル学習をおこなうなかで、その内容に内発的動機付けに向かう要素があれば、その要素を強化誘導する。以上が我が家の方針ですが、どなたか他にも良い教育方法があったらコメントやメールで教えてください。
コメント
フラッシュカードについて、我が家でもいくつか工夫をしているので参考になれば☆
普段から気を付けていることは
・そっと近づいてワァと驚かすみたいなノリで
・コッソリ近寄って突然大声で始めるとビックリして見る
・読み上げる時は笑いをかみ殺したような声で読むと目を逸らさない
・終わったら毎度「イエーイ」とハイタッチかギューと抱きしめる
子どもが乗り気じゃない時期は
・枚数少なめで(1枚で終わったり5枚で終わったり)
・明らかに違うジャンルの物を1~2枚混ぜる(星座にゴリラとか)
・誰もいない方に向かってする
などをいつもと同じく突然やり始めると、たいていツッコまれます。
始めは「え?何か変?」ととぼけ続け、ツッコミが盛り上がってきたら「バレたか~」と残念がります。
するとたいてい面白いフラッシュ待ちな雰囲気になるので、またやります。
うちではドリルはまだやりませんが、お手伝いなど自発的にやって欲しいことは、親が監督ではなく同士として共感しながら一緒にやるとスムーズに行きやすい気がします。
そしてご褒美をご褒美と思わせない言い方で。
・「お母さん今すぐ公園に遊びに行きたくなってきた~!(俺も私も~!)よっしゃー!じゃあ仕方ないからこのおもちゃ片付けるかぁ…そうだ30秒で片付けてみせる!数えててよ~!」
間に合わなそうなら笑いながら手伝ってくれます。
ドリルも親が別のお勉強やお仕事を、同じテンションで「ひとりじゃ頑張りたくない気分~。子も横でドリル頑張ってるところ見せてくれない?そしたら〇分くらいは頑張れそう!」とか言えば、親を励ますという前向きな動機で頑張ってくれませんかね(笑)
ほか写真が嫌いでないお子様なら、普段どんな難しい(面倒くさい?)ドリルをしてるのかおじいちゃんおばあちゃんに見せてあげたいから写真を撮らせてくれと言うとテンション上がりませんかね。毎日できたページと一緒に記念撮影をして、1冊のアルバムに入れながら褒めながら見るとか。
などしつつも、ご本人さんが喜ぶドリルが見つかると一番良いですね!
うめさんコメントありがとうございます。ときどき私もうめさんのブログを拝見させていただいてます。
やっぱり、どこの家庭もフラッシュカードをするのにはいろいろ工夫されているんですね。
いろいろな工夫されてますね。参考になります。とくに「ワァって驚かす」のはうちの子にも効きそうです☆
『読み上げる時は笑いをかみ殺したような声で読むと目を逸らさない』は笑っちゃいました。
なかなか演技派ですね♪たしかに子どもはくいつきそうです☆
『誰もいない方に向かってする』と似てますが、うちの場合は、もうフラッシュをやっていないお姉ちゃんにやって、少しだけ横から本人に見えるようにやったりもします。
そもそも、うちはパパしかフラッシュをしないので、できればママにしてほしいものです。パパよりもたまにママからしてもらうほうが子どもも喜びそうです。
ドリルをやらせる方法も、使えますね。うちの場合は、おじいちゃんちにドリルを持って行くと、そろばんとか計算はおじいちゃんが観てくれるので新鮮みたいです。
やっぱり、子どもにやらせるだけじゃなくて、日頃から親も本を読んだり、勉強をしたりしている姿をみせないとですね。一緒に並んで本を読んだり勉強するのが夢です。
すたーさん、お返事ありがとうございます。
フラッシュカードについてドーマンメソッドの本に、学ぶことはゲームやご褒美で仕事や罰ではない、親子とも楽しめない時はすぐやめる、子どもがやめたいと感じる前に切り上げる、楽しい声で読み上げる、子どもを退屈させない、物足りなさを感じるくらいで切り上げる…などがあったように記憶していて、それで前回のコメントのようなやり方をしています。
もし奥様がフラッシュカードを進んでなさらないんですね。我が家の主人はフラッシュカードについて中途半端にしか理解しておらず弊害が出かねないので、逆にやらないでもらえて万々歳と考えています。
すたーさんがヨガの勉強などなさる姿は、きっと将来お子さんの中で勉強を楽しみ頑張る力になるんでしょうね。
すたーさんの夢も今にも叶いそうで、楽しみですね!
前回も今回も長々と失礼いたしました。
今後もブログ読ませていただきますね☆
返信が遅くなってごめんなさい(汗)
そうなんです、ドーマン法の本に書いてあることからすると、私のやり方は禁忌ばっかり犯していて、うめさんの旦那さんと同様に弊害があるかもしれません。
ドーマン法の基本原則は重々承知なんですが、私の怠惰で適当な性格から基本通りにやれていない面があります。
でも、「どんなに不味いやり方でもやらないよりはいい」とも、表記されていたのでそれを信じて続けている状況です。
だって、私がやらなければママは全くしないんですからね(泣)
うめさんみたいな奥さんがうらやましいですね☆
まぁ、ドーマン法以外にも、いろいろな育児法の本を読み漁ってるので、いろいろ試行錯誤しています。うめさんのブログも参考にさせていただきますね。
勉強は楽しいもんだということを知ってもらえるように、パパも日常的に子どもたちにお手本を示していきたいものです。