歴史ある家庭教育法
私は長女が生まれてから様々な考え方の教育書籍を読んできました。巷にたくさんの教育本が溢れかえっている様子をみるに、「我が子の頭を良くしたい」と考えることは子を持つ親の永遠のテーマのようです。様々な教育本が書店に並べられているように、教育に対する考え方も様々です。脳科学や心理学、認知科学の視点から述べられているものもあれば、コーチングや子どもに対しての関わり方から述べられているもの、胎教や乳児の時期から教育を始めたほうが良いと謳った早期教育もの、規則正しい生活習慣が大事だと唱えているもの、いやいや、知育ドリルや知育教材を使って問題を解かせたほうが良いと言うもの、などなど、著者が変われば教育に対する考え方も大きく異なります。そのなかで、ひときわ、伝統的で芯がしっかりしている印象の天才教育法がありました。それは「ユダヤ式教育法」です。他の教育本が、良い大学に行かせたい。そのために、有名進学校に通わせたい。そのために、IQを高くして学力を高めたい。といった目標を主眼においた本が多いなか、「ユダヤ式教育法」は、どうちらかというと、人生を幸せに生き抜くために教育し、その結果、優秀になってしまった。とか、その分野で輝かしい業績を残してしまったとかいうような感じがしました。
優秀さの秘密は教育に対しての考え方にある
ユダヤ人ほどあらゆる分野で世界的に影響を与えた人物を多く輩出した民族はいないでしょう。ユダヤ人の有名な人といえば、もちろんアインシュタイン。そして、精神分析のフロイトや経済学者のマルクス、コンピューターを作った数学者ノイマン、映画監督のスピルバーグ、金融資本のロスチャイルドなど挙げればきりがありません。ですからユダヤ人といえば「大富豪」「頭が良くて優秀」というイメージがあります。現に、ユダヤ人は世界人口の0.38%しかいないのに、ノーベル賞受賞者の約22%がユダヤ人なのだそうです。ちょっと統計的にありえないですよね。ですから、やっぱりユダヤ人の遺伝子が優秀だからなんじゃないの?となりそうですが、ユダヤ人の定義は「ユダヤ教を信仰する人々(他にもある)」なので血や遺伝子は関係ありません。元々、ユダヤ人は宗教や職業で迫害の受け、世界を流浪した歴史のある民族なので、いざという時に「持ち運べない財産よりも、常に身に着けている自分の頭や子どもの教育」に重きを置く伝統があるようです。どんなに迫害にあっても、無一文になっても「頭が唯一の確実な資産」だと考えています。
与えるのではなく引き出す
しかし、同じ教育といってもユダヤ人の家庭では「詰め込む」「与える」「教える」「強制する」の教育ではありません。おそらく、どの家庭もフラッシュカードやドッツカードはやってないだろうし、塾や幼児教室、ドリル学習などもやってないと思います。彼らは「引き出す」教育をやっており「学ぶことは楽しいことだ」と教えています。では具体的にどんなことをすればいいのでしょうか。まずは、家に本がぎっしり詰まった本棚をみせることです。ただし、本を読むことを強要しません。次に、子供が何に興味を持つかしっかりと観察する。そして、何かに興味を持ったなら、それに関する本を与えます。3つめは、頻繁に上質な体験を与えることです。それは博物館や美術館にいったり、海や山などの大自然を体験させたり、コンサートや天体観測などで感動させることです。そして、一番大切なことは「子どもを信頼する」ことだそうです。子どもを信頼していないと親はいろいろある教育法を子どもに対して我慢できません。裏切られるのが怖いからです。そして、他の子と比較するから信頼できないのだそうです。最初から比較しなければ裏切られることはなく、信頼できるはずです。各いう私も、我が子に対していろいろな教育法を試してしまいますし、保育園の他の園児と比較してしまいます。子どもを信じているようで実はしていないのかもしれません。
何が正しい教育法?
では、それ以外の教育方法とはなんだったのか?って言いたくなりますよね。いろいろな教育本があるなかで、どれが本当に正しいのでしょうか?まぁ、どれが正しいとか間違っているとかいうようなものではなく、それぞれの教育方法が「子どもを教育するという行為」の一側面を言い当てているのだと思います。要は子どもを、しっかり観察して、その時々に応じた関わり方をしていけば良いのではないでしょうか。