習い事は3歳の年少くらいが良い
よくネット上でみかける質問に「習い事やお稽古ごとはいつから始めたらいいですか?」「どういったものをさせたらいいですか?」というものがあります。ちなみに私の長女の場合は3歳4ヶ月(年少の4月)から体操教室に週1回通い始め、そして、3歳11か月からピアノ教室に週1回通い始めました。まだ、次女のハルカは1歳7ヶ月ですが、長女のときと同じく年少くらいから何か習い事を始めさせようと考えています。ネットでは3~4歳で習い事を始める家庭が多いと書いてありました。しかし、私たち夫婦は関東都市圏ではなく、地方在住であり、共働きで、保育園通いの夫婦なため、私たちの周りの家庭に3歳で習い事をさせているところはありませんでした。それでも、うちは体操教室とピアノ教室と二つ習わせているのですから、地方の家庭にしては教育熱心なほうじゃないでしょうか。私がなぜ、3歳から習い事をさせたかというと、娘の保育園での様子が習い事をさせるのに十分だと判断したからです。その様子とは、今まで一人遊びが多かったものが、友達と一緒に遊ぶことが多くなり、集団での協調性や社会性がでてきたということです。また、まわりの空気を読んだり、相手の気持ちを汲んでいる様子がうかがえるようになりました。中室牧子著「学力の経済学」では「もっとも収益率が高いのは、小学校就学前教育です」とか「社会収益率7~10%にも上るということは、4歳の時に投資した100円が65歳の時に、6千~3万円ほどになって社会に還元される」という記載があります。このことからすると、とにかく子どもが小さいうちから投資(習い事)をするほうが経済的(効率的で効果的)だということです。しかし、まぁ、子どもの協調性や社会性の発達のことも考えると3歳くらいがベターなんじゃないでしょうか。
過度な期待は失敗する
長女の場合、1歳の頃から運動遊びや山や川で歩かせていたためか、体操はかなり優秀だったらしく10ヶ月目には教室のコーチから「天性のバネを持ってます」と言われ、その教室史上初の最年少で最上級クラスに選ばれました。しかし、今まで楽しかった体操が急に厳しくなり、コーチが怖くなったせいで通うのを嫌がるようになり、結局、1年間で辞めてしまいました。ですが、やっぱり本人は体操が好きみたいで、体操教室を辞めた今でも家では「逆立ち歩き」をしたり「ハンドスプリング」や「馬跳び」をして遊んでます。体操教室のことで私が学んだことは、我が子にどんなに才能が隠れていようと、過度な期待をして無理に進ませてはダメなんだということです。最上級クラスの誘いに乗らずに普通のクラスで楽しく続けさせた方が、逆に娘の才能の芽を摘まずにすんだのではないかと後悔しています。楽しい教室を楽しいまま続けさせてあげればよかったです。ではなぜ、長女の最初の習い事に体操を選んだのでしょうか。スポーツのなかで一番、基礎的で身体を使う部位に偏りがなく、身体の部位を時間的、空間的に定位させる特性が体操にはあると考えたからでした。例えて言うと、「連続した時間のある時刻tに、空間のなかで手が座標Aにあり、肘が座標Bにあり、肩が座標Cにある」という身体現象を実現するため、全身の神経・筋・知覚を協調させる性質が一番表れた運動だったからです。当初の予定では小学1年生までにはバク転ができるようになるだろうとふんでいました。ですので、小学1年生までは体操を習わせて、あとは別のスポーツ、例えばサッカーやバスケットなどに移行させるつもりだったのです。しかし、辞めてしまって予定が狂ってしまったので、今では家で遊びがてらに布団を敷いて、バク転の練習をしています。小学校入学までに間に合えば良いのですが、リミットはあと半年です。
楽しく通ってくれるだけでOK
ピアノ教室のほうは順調に上達して、5歳8ヶ月現在はバイエル9番まで進んでいます。私も嫁もピアノは全く経験したことがないので、我が子のピアノの腕前が上手なのか、下手なのか、早いのか遅いのかはわかりません。むしろ私たち親が素人なぶん、子どもに変な期待がかからないので、それが良かったのかもしれません。体操に比べて、ピアノ教室は良い先生に恵まれ楽しく通っています。やっぱり好きこそものの上手なれですね。そもそも、なぜピアノを習わせたのかというと、私の直観では、なんとなくピアノは数学と関係しているような気がしたからです。くわえて、唄うことは大好きだけど楽器が全くできない私のようになってもらいたくなかったからです。せめて人生なかで音楽の楽しさを楽器で表現できるようになって欲しいと思います。ですから、子どもにはピアノというよりも、どっちかというと数学への波及効果を狙っており、ピアノ自体の能力はあまり期待しておりません。ちなみに東大生の2人に1人はピアノを習ってたという統計があるらしいですね。
結論は3歳から期待せずに「体操」と「ピアノ」
以上、うちの長女の場合を踏まえたうえで、何を習わせたら良いかということですが、よく、ネットでは「本人が一番やりたいと思ったこと」とか、「本人が興味があること」をさせたら良いという意見が多くあります。しかし、3歳の子どもにはたして自分というものあるのでしょうか。この頃の時期は、まだ「一番~」とか「興味がある~」とかは無いんじゃないでしょうか。この頃の好き嫌いはかなり流動的で、周囲の大人の言葉ですぐに変わってしまいます。そりゃ、車に興味があるとか電車に興味がるとかいうのはあるでしょう。しかし、車とか電車に関係した習い事ってのはありませんからね。ですので3歳の子どもに習い事を選ばせることはナンセンスです。私は子どもの「神経系」「知覚系」「認知系」を一番発達させるものが一番良いと思います。ちなにみ、神経系は、スキャモンの発育曲線によると5歳までに80%、12歳までにはほぼ100%まで達してしまうそうです。そこで私は「神経系、認知系、知覚系」を一番発達させそうなものは「ピアノ」と「体操」の二つではないかと考えました。もっと言うならば、この曲線から言えることは0歳から3歳までは、3歳以降よりももっと大事な訳です。とても他人に任せておける時期ではありません。3歳までは週に数回、30分から1時間程度の習い事をさせるよりも、毎日、愛着のこもった「神経系、知覚系、認知系」の刺激を身近な者が絶えず入れてあげるべきです。3歳までにどれだけ刺激を入れたかで、習い事を習い始めた3歳時点での「才能さ」や「優秀さ」が決まってくるのだと思います。3歳の子どもにはピアノも、体操も、サッカーも何がなんだかわからないでしょう。ただ、物心ついたときにはすでにやってたってだけです。現に私も4歳くらいから空手を始めましたが、好きだったかどうかは憶えていません。たんに私の母がジャッキーチェン好きだったからだと思います。