足だけが体を支える部位じゃない
福岡県太宰府市に梅林アスレチックスポーツ公園という公園があります。ここの公園はアスレチックと健康器具が充実していて結構お気に入りの公園です。下の子が生まれる前は、よく長女を連れて遊びに来ていたのですが、次女が生まれてからは久しぶりに来ました。普通の公園に比べて斜面や起伏が多いので、歩くのが上手になった1歳半くらいから連れてくると運動発達に良い影響を与えると思います。フカフカできれいな芝生もあるので、寝転がったり、でんぐり返りをしたりと、お尻やおなか、背中を地面につけるような運動も取り入れると良いでしょう。
感覚情報を掌、腹、膝、殿部からも手に入れる
現代人は、大人も子どもも含めて、「外は立って歩くところ」、「家は寝っころがっても良いところ」という観念にとらわれがちです。部屋のなかではできる側転や逆立ちなどの運動も外ではできないことがよくあります。屋内と違って、外の土や芝生は平らじゃなくてデコボコしていたり、少しななめに傾斜していたり、柱や梁などの水平や垂直を示す直線がないので、それを頼りに自分の体を空間に定位することが、ちょっとだけ難しくなります。また、壁がないので視点や焦点をどこに合わせたらいいのかわからなくなる場合もあります。つまり屋内に比べて屋外は、身体をその空間でバランスをとる(定位)するための情報が少なくなるのです。情報が少ないと子どもは不安になり恐怖します。メンタルが運動能力に与える影響は大きいので、おのずと運動のパフォーマンスも環境の変化により変化したメンタルに左右されます。ですから、子どもを外で遊ばせる時に少し気を使ってほしいことがあります。それは、足の裏以外の場所、たとえば、手の平や背中、尻、お腹などを使って体を支える動作を取り入れて欲しいということです。そうすることで、外も部屋と同じなんだと安心感が持て、身体全体を上手に使うことができ、ダイナミックな運動ができるようになります。ちなみに、1~3歳の乳幼児にとっては階段や岩も体全体をつかって登らなければなりません。大人にとっては「昇る」ことが「登る」ことになるのです。
高さが怖いという認知を書き換えろ
少し、リハビリの話になりますが、歳をとって、身体を思うように動かせなくなると、若いときには何とも思わなかったような高さが怖くなります。例えば、30cm程度のベッドの高さだとか、階段のそばなどです。最近は、和室の畳の上での生活が減って、洋室のソファーや椅子で生活することが多くなっています。和室が多かった時代に比べて視点の高さが約30~40cmほど高くなっています。ベッドやソファーなど30cm上の生活している現代の住人にとって、畳や床に座ることは少し落ち着かない、「そわそわ」した気分になります。ときには視点を変えて生活してみるのも良いことだと思います。また、子育てをしている親世代の人も、たまには芝生のある公園で、子どもと一緒にゴロンと寝っころがったり、四つん這いになったりしてみるのもいいかもしれません。足の裏だけでなく、身体の全部の部位が地面について、感覚刺激がその部位から入り、視覚情報と統合されることで、歳をとったときの高さの恐怖は減ると思います。