DYJOCトレーニング
整形外科のリハビリで、変形性膝関節症や半月板損傷などの患者さんによく行われている訓練にDYJOC(ディジョック)トレーニングというものがあります。どういうものかというと、不安定板への荷重などの方法を通じて、関節や足底などにある固有受容器を刺激し、動的関節制動能力を改善するものです。リハビリ室でタオルを足の指でたぐり寄せたり、足の指でグーパーをしたりするのもこの訓練の一つです。この考え方は子どもの運動能力を発達させる場合にも当てはまります。
リハビリと運動遊びは目的が一緒
要は、木の根がはった不整地やデコボコになっている不安定な地面を裸足で歩いたら、膝や足の至る所にあるセンサーが不安定さの刺激を感じとって、脚以外の身体の反応も良くなりますよ!つまり、運動神経が良くなりますよ!ってことです。スペインのサッカークラブ、FCバルセロナの下部組織である「カンテラ」に、日本から初入団の快挙を9歳で成し遂げた久保健英くんも外遊びのときは靴、靴下を脱いで足裏の感覚を鍛えていたそうです。足の裏には非常にたくさんの固有感覚受容器が集まっており、その情報から膝関節や股関節、はたまた体幹の動きを連動させて全身の動きを制御するのです。それは脳まで情報をあげて降ろすような遅い反応ではなく脊髄レベルでおこる反射に近いものだと思われます。だって、サッカーをプレイしているときに考えておこるような反応では間に合いませんからね。
おれ、バルサに入る! | 考える膝 |
都会と田舎の子ども
都会で暮らしている人間の生活には、不整地はなくて、いつもアスファルトや平らな床を靴下や靴を履いて歩いてますよね。そりゃ、田舎で野山を駆け回ってる子どもたちに比べたら、都会で育った子どもたちの運動神経が劣るのはあたりまえですよね。子どもたちは裸足で遊ぶと楽しいと本能的に知っています。汚れるから、危ないからと禁止してしまうと、子どもの楽しい気持ちを一つ奪ってしまいます。娘が通っている保育園はもちろん裸足遊びです。私も山や川に連れて行くときは怪我を承知で裸足にさせています。多少怪我もしないと地面の力学的性質はわかりませんよね。
力学的刺激を肌で感じとれ
都会の郊外に住んでいても、運動神経が良くなってほしいと願う親には、田舎ほどじゃないですけお、まだできることはあります。裸足で公園の木の周りや、神社の枯葉の散った斜面を裸足で歩かせればいいのです。何回もこけたけど泣きません。だって楽しいんだから。ブランコでは遠心力とスピードを感じました♪これはまた、足裏の固有受容器と同様に姿勢制御の情報源となる前庭刺激です。あと、もうひとつは視覚から入る光学的情報ですよね。足裏からも耳(前庭)からも目からもたくさん情報が入ったあと、帰ったらぐったりです☆